蛻変(ぜいへん)の記 ~変化を常態化する~

「チームビルディング」と出会い、自分のあり方と周りへの伝え方を変えることで、周り人が手伝ってくれるようになる。「チームビルディング」の考え方や日々の気付きについて発信しています。

相手の背景を無視した主張は正しくても相手を不快にさせる

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2020年10月19日 蛻変の記215号
今日も自分の中に起こった「?」や「!」を書いていきます。
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Kindleで本を買うことが多くなってはいるものの、まだまだ買うことが多い紙の本。
新刊で電子化されていないものの場合、外出するタイミングに合わせて本屋に取り置きを頼みます。

書店のWebサイトから店舗在庫を調べて、名前とメールアドレスを入力して取り置きを依頼する。
先日、間違えて名前のところにメールアドレスを入れて手配してしまったんですよね。
登録変更などはWebサイトからできない仕組みになっている。

「連絡をどうしようかなぁ」と迷っているとお願いした店舗からの取り置きした旨のメールがくる。
依頼者名がメールアドレスになっていたので、いつも受けているお名前で対応しておりますという内容が本文に書かれていたんですよね。
今年に入ってから二、三ヶ月に一回程度しか取り置き依頼を頼まなくなったとはいえ、
店舗側が常連さんみたいな対応をしてくれたことに嬉しくなったんですよね。

お店に伺い、レジの人に取り置きの旨と本の名前を伝えて棚から取り出してもらう。
いつもなら名前を聞かれるのに、本の名前しか復唱されなかった。
店員が探し始めてもなかなか見つからなかったようで、
引き継ぎノートみたいなものを確認したり、別の人に聞いたりしている。
4箇所しかない引き戸を開けては締めを繰り返し、同じところを探しながらやっと見つかる。

私が手配時にミスしたことが店員の方を手間取らせたことを申し訳なく思い、
「名前を入れずにお願いしてすみませんでした」と伝える。
店員からは「名前がなかったのでなかなか見つけられませんでした」と返ってくる。
こちらが申し訳ないとは思いつつも、ちょっと引っかかったんですよね。
名前で取り置き対応していると店側から言ってくれている上に、店員さんには私の名前を確認されていない。
それで探すのに手間取ったと言われてもと、感情が波立つ。
さらに会計を済ませた最後に「今度からは名前を入れていただくようにお願いします」と言われる。

その一言は余計やろと大人気なく思ってしまったんですよね。
私側からみると、間違ってはいるものの、いつもどおりの対応をしていますよという連絡をお店からもらっている。
お店側としては正しい手順で依頼しなかった客という見方になる。
直接対応した人と本の取り置き対応をした人とは別なのでそれぞれに思惑が異なる。
私からするとお店という一つの対応になるが、お店側からすると接点分だけ文脈が変わる。

一人のお客さまに対して接点が増える場合は注意が必要ということを身にしみて感じましたね。
前の人と後の人で対応が変わる。
始めの人の印象が悪くても後ろの方でお客さまに良い印象を持ってもらえれば、トータルとして良い対応をしてもらったと思ってもらいやすい。
その逆の場合はマイナスの印象が残ってしまう。

また、お店側の正論の伝え方も注意がいる。
お店からすると次から注意してほしいとの思いから伝えている。
毎回ミスする人やたまたまミスをした人、初めてで間違えた人など背景がそれぞれ異なる。
その背景を省みることなく、主張することは不快な印象をもたれやすい。
誰かへの指摘を伝えるときは、その人固有の個別具体的な文脈に思いを馳せる

客側の立場だと「何でそんなことを言われないといけないの」ということでも、
サービスを提供する側に回ると、自分の主張を押し付けがちになる。
相手から見てどうかという視点を常にもちたいものです

お客さまへの注意はお客さまの視点に立っていますか?