蛻変(ぜいへん)の記 ~変化を常態化する~

「チームビルディング」と出会い、自分のあり方と周りへの伝え方を変えることで、周り人が手伝ってくれるようになる。「チームビルディング」の考え方や日々の気付きについて発信しています。

見えない鎖につながれるとカンタンに思考を放棄する

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2021年2月19日 蛻変の記310号
今日も自分の中に起こった「?」や「!」を書いていきます。
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「すぐに答えが浮かばないです。すいません。」

今日、会社の後輩と1on1をしました。
同じチームに居るけど、仕事上の接点はまったくない後輩と話す。
私が話を聞く側で、後輩に好きなように話してもらう。
話してくれる内容に沿って「どう進めていく?」とか
「何が必要かな?」とか問いかける。

ときには向こうから「どうしたらいいでしょう?」と聞かれているのに
答えずに「どうしたらいいと思う?」と質問返しをすることも。
こういうときにスッと答えてほしいと相手は思っているかもしれない。
どうしましょう?と人に問いかけるときは、自分の中で答えを持っている気がするんですよね。
自分の意見はある。
けれど、「違うよ」と言われるのが怖いから言わないんですよね。

相手に安心して答えてもらうためには、まず自分が黙る。
これが私にとっては苦行なんですよね。
人は聞かれたら答えるというのが習性なのか、私に質問されると答えたくなるんですよね。
後輩相手だと、あれもこれも教えたくなり、話が止まらなくなる。
それだと1on1が自分の時間になる。
話したい欲求を抑えて、話を聞いたり、問いかけたりすることに集中する。

私の問いかけにいろいろと答えてくれるのですが、
話が進むにつれて相手から「すぐに答えが浮かばないです。すいません。」というのが
3回に1回くらいでてくる。

これまで別の人と1on1をやっているときに答えを出すことを求められていたらしい。
すぐに言葉が出てこないときに、何回も「すみません」と言われるのはこちらとしても心苦しい。
聞いていてこちらがつらくなってくる。
そもそも1on1は後輩が何か得てもらう時間。
答えは出なくても良いし、謝らなくても良いはずなんですよね。

気になったので、踏み込んで聞いてみると、
「聞かれたことに答えろ、黙るな」ということを一緒に仕事をしている人から求められているらしい。
安易に答えを出すと、「違う」といわれる
答えを出さないと、お小言が始まる。
そんな環境にいるため、自然と誤りグセがついていた。

鎖につながれた象と同じ状態。
深く考える必要が出ると、先にギブアップの声を出す。
何か言っても否定されるなら、何も言わない方がいいと自分を守っているんですよね。
元々は違ったはずなのに、安心できない状態が続くうちに思考をすぐに止めるようになる。
安心できなかったり、自分が安全と感じなかったりすると自分の殻に閉じこもってしまう。

職場の心理的安全性は人の能力に大きく影響する。
思考にブレーキがかかると仕事の能率もさがる。
すぐに思考を止める人との対話を通して、
チーム全員がのびのびと働ける場作りに力を入れたいという気持ちになる。
人の顔色を気にしておどおど仕事することほどアホらしいものはない