毒を抜いて、味を出す
「反省するのはいいけど、自分の味まで消さないでね」
今はお客さまの会社で常駐して働いている。
自分の言動のまずさで別の部署からクレームが
自分の会社に入る。
自分だけでなく、直接関わっているお客さまにも
自分の会社から聞き取り調査が入る。
聞き取り調査が終わってお客さまから
フィードバックをもらう。
お客さまからは
「うちのチームで、あなたの言動について問題視していない」
「プロジェクトが上手くいくためにという思いから出た
言葉や動き方と理解している」
といったありがたい言葉をいただく。
「今回の警告を元に、迷惑がかからないように行動を改めます」
と自分が口にすると、お客さまからこう返される。
「反省すべきところは改めるとしても、
自分の味まで消したら意味がないからね。
よその部署から言われたことを気にして、
うちのチームを思っての行動の良さが無くなったら意味がないよ」
この言葉を聞いて、ハッとなる。
今まで自分はクレームが入ると、
ここがダメ、あそこを直さないとという
改善の視点しか持っていなかった。
「プロジェクトを成功させるために」という
目的に照らし合わせて自分の行動を全体を見直す。
長所と短所は相反するもの。
自分の行動はあるお客さまにとっては薬となり、
あるお客さまにとっては毒となる。
毒抜きばかりを行って、肝心の薬の部分の効能まで
抜けてしまっては意味がない。
反省するにしても、以下に薬の効能を高め、
毒気を抜くか。
ふぐの卵巣の粕漬けという珍味がある。
猛毒のかたまりである、ふぐの卵巣を
塩漬けおよび粕漬けすることで、
毒素が消え、旨味が出るらしい。
自分が取りたい行動も同じこと。
旨味を引き出すために、どうやって毒を抜くか。
毒を抜くものの、自分の良さを際立たせるか。
反省をしつつも、自分の良さとは何かに目を向けることが
必要なのではないだろうか。