蛻変(ぜいへん)の記 ~変化を常態化する~

「チームビルディング」と出会い、自分のあり方と周りへの伝え方を変えることで、周り人が手伝ってくれるようになる。「チームビルディング」の考え方や日々の気付きについて発信しています。

祖母のあり方から学ぶチームビルディング

中学生の頃、夏休みになると父方の祖母の家に逃げていた。

中高一貫校に通っていたのですが、下から30番台に入る成績でしたね。
理科で100点満点中4点をとったことがあるくらい。
わからないところがわからない、というくらい授業の内容が全く頭に入っていなかった。

3つ離れた兄はTOP10に入るほどだったので、母親に呆れられていた。
1学期終わりに保護者面談があった。
母から言われた言葉を今でも覚えている。
「『弟の方も期待していたが、結果が全然違うのに驚いている』
 って先生に言われて恥ずかしかった。
 何で同じことをやってんのに、お兄ちゃんみたいにできないの!」

それ以来、自分の中でしっかり染み付いてしまったのが
「優秀な兄にできない弟」。

夏休み前の保護者面談から約3週間後くらいにテストがあり、
夏休み中なので結果は自宅に郵送される。
これが恐怖だった。
きっちり説教され、「ちゃんとやります」と言い逃れした結果が数値になって出る。
絶対赤点という謎の自信があった。

「結果が来るときに家にいない」
この目標に対して取った行動は、父方の祖母の家にあそびに行くこと。
親に内緒で電話し、祖母の了解を取る。
「一人で行くって言うと反対されるからおばあちゃんからお母さんに言って」と根回し。
祖母の段取りのおかげで、脱出に成功する。

祖母の家で宿題をやりながら、成績が送られてくるのを待つ。
いつかかってくるのかソワソワした日々を過ごす。
待望の電話がかかってくる。
電話に出た祖母から変わるとき、「ひょっとしたら」の思いがあった。

そんな夢は虚しく、第一声から怒号の嵐。
その場にいないことでホッとしているのが気づかれているのか20分以上説教されていた。
あまりに長い説教に祖母が助け舟を出してくれる。

祖母が母に何を言っていないかは覚えていないが、
母をたしなめていたことは覚えている。
その後、祖母と二人きりでこれまでの経緯を話す。
祖母にも何か言われるかなと思ったが、優しい笑みのまま聞いてくれていた。
お兄ちゃんとあんたは違う。あんたはあんたなんやで
と言われたのが、四半世紀以上立ったのは今でも心支えになっている。

チームビルディングの研修の中で言われて、体得できていないものの一つに、
メンバーがそこにいるだけでいい、いてくれてありがとう」という気持ちを持つというものがある。
ずっとこの感覚が理解できていなかった。
逃げ回っている自分をわかった上で、祖母は自分を受け止めてくれていた。
温かい眼差しでメンバーを見守り、受け止める、そんなイメージなのかなと思う

周りを受け止めるために心がけることは?