ファシリテーターは伸ばしたい相手を主語にして学びの潤滑油となる
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2021年5月7日 蛻変の記341号
今日も自分の中に起こった「?」や「!」を書いていきます。
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連休中は積ん読の解消に取り組んでいました。
自分の感情のコントロール、コーチングや組織開発に関する本を読み漁る。
自分のあり方、チームビルディングの考え方を整えてくれる本にであう。
それは「教えないスキル ~ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術~」という本で、
著者はスペインでサッカーの監督・コーチをされていた佐伯夕利子さん。
2014年から始まったビジャレアルでの育成年代の指導改革をまとめたもの。
序章の「指導者は、選手の学びの機会を創出するファシリテーター(潤滑油)に過ぎません」
とあるのに心をつかまれる。
私自身の読書や知識が狭いだけなのだが、ファシリテーターを潤滑油をしているのを
初めて見る。
そしてこの一文のあとにこう続く。
「指導者個々の内省から、これを指導哲学のベースとしています。(中略)
選手をけなしたり、威嚇し恐怖を与えたり、責任を背負わせたりする人は支配者であり、
決して指導者ではありません」
自分の娘への接し方についてを言われているように感じる。
そして本の中ではファシリテーターの心構えとしてこのように書かれている
「選手の学びの機会を創出するファシリテーター(潤滑油)が指導者であるのなら、
その学びの機会を享受する選手は活動の主体。
つまりは選手が主語であるべきた」
ファシリテーター(潤滑油)のやることは次のように書かれています
「考える癖をつけることに、重きを置き、考える余白をつくってあげる。
一方的なコーチングをせず、問いをつくることにこころを砕く。
選手たちが「学びたい」と自然に意欲がわくような環境を整備する。」
そうすることによって
「伸ばしたい相手を主語にすれば、誰しもがその相手のために心地よい学びをつくろうとする。
誰しもが工夫し始める」
このあたりの言葉がグサグサと自分に突き刺さりましたね。
子どものためと言いながらも主語は自分のまま。
「将来、苦労しないために私は勉強をさせる」みたいに
相手を装いつつも「私が」主語になっている。
その他、本書では個の最適化を図るための問いかけ、意図をもった言葉の選び方といった
コミュニケーションの考え方だけでなく、相手を主体にして接するための自分のあり方が述べられている。
人材育成術と銘打たれているだけあて、育成年代の取り組みが一冊を通して書かれている。
そのため、子を持つ親のあり方や家庭でのコミュニケーションに応用できる要素が詰まっている。
それだけでなく、一人の人間としてのセルフコーチング、セルフマネジメントにも活用できる。
定期的に読み返して、あり方や考え方を自分に刷り込んでいきたい一冊です。